七色のとらの物語り

難しいことはきらいです。あなたの脳ミソで化学反応を起こすような、心にじんわり広がるような暗号にするしかありません。

ちいさなて

七色のとら 作

 

 


 欲しがるなら
 あなたにあげましょう。

 

 

 


 これはね、いつか使おうと思って大切に取っておいたものだよ。

 

 

 

 
 でも、今日がその日みたいだから

    惜しみもなく
 あげよう、あなたに。

 

 

 そう言って手の上に乗せた小さな箱を
 大切そうに差し出す。

 

 

 

 この日を待っていたので
 とても嬉しくて、涙が出そうです。

 

 

 

 

 

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『ちいさなて』