七色のとらの物語り

難しいことはきらいです。あなたの脳ミソで化学反応を起こすような、心にじんわり広がるような暗号にするしかありません。

すもも

七色のとら 作

 

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あかい皮を剥かないまま、
熟した実は 歯を立てなくても。
よおく冷やしておいたから
滴る雫は とても 冷たい

ああ もうなつねぇ。

 

日が長くなったと思ったら
いきなり夜が来る。

 

 

 

種の周りはすっぱいから、
本当は最後にしたくはなかったけど、
あぁそのせいで いつまでも、いつまでも口の中に残る

ほとんどの甘さよりも
忘れられない一瞬がわたしを掠める

 

 

『すもも