七色のとらの物語り

難しいことはきらいです。あなたの脳ミソで化学反応を起こすような、心にじんわり広がるような暗号にするしかありません。

点と線

七色のとら 作

 

 

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帰ってきたくなったら帰っておいでと言いました
全てのいとおしいものたちへ。

 

 

待ってることは苦手ですが、待っててもらうのはとても嬉しいので
だから待っている素ぶりをします。

 


それでもいいですか。


またね。帰ってきてね。
ここにいるから。いつまでも。

 

 

 

 

だって思い出して欲しいんだもん。
根っこを縛り付けておきたいんだ。

 

わたしは点であり、
ひとつの人生は線なのです。


そして時々線と線が交わります。


ある一定の期間、それは歯車があったみたいに面白いほど噛み合う
生きていると極まれにそんなことがあります。


当たり前のようだけどそれは奇跡に等しいこと。

 

そんでまた二つの線に戻り、それぞれの道へと帰っていく。

 

 


それだけのこと。

 


だから寂しくはない。

 

 

(もう二度と交わることはないと本当は知っているけど。)

 

 

 

『点と線』